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国・地方のサービス提供に共通して利用されるべきものであり、そのことによって効果が増大することが期待されるものである。国・地方で整合性のとれたICカードシステムを構築しないと、折角のメリットが享受されないことになりかねない。

地方分権が地方行政の独自性発揮と地域の活性化につながり、行政サービスも住民に一番近いところで提供されるという目的で推進されるのが本来の趣旨であろうが、実態として、地方公共団体にとって負荷が大きい業務が委譲されるという議論があることも確かである。折角の地方分権が地方公共団体にとって、負荷増大につながりかねないのである。作業量増という負荷を情報技術で如何に軽減できるのか、国と地方のネットワークの活用で権限委譲の実質がどの程度達成されるのか、今後検討されなければならない事項が多いと認められるところである。

?B 規制緩和

規制緩和も行政改革の大きな課題である。規制緩和は一般的には民間事業者に対する行政の規制を緩和して経済活動の活性化を図り、負担軽減を目指すものである。具体的には、許認可の廃止、緩和という大きな課題に加え、手続の簡素化による国民等の負担軽減という目標が現実的なものとなてきた。平成9年2月10日の閣議で決定された「申請負担軽減対策」がその代表的な例であろう。この閣議決定では、「規制緩和を推進するにあたって、行政庁に対する申請等に係る国民の負担を軽減することがきわめて重要である。」として、「情報通信技術の飛躍的発展を踏まえ、(中略)申請等に伴う手続の簡素化、電子化、ペーパーレス化、ネットワーク化を進め、(中略)国民の負担感を半減することを目標」としている。具体的な方策としてあげられている事項は第3章で記述している、申請・申告の電子化であり、高度情報通信社会推進本部制度見直し部会の検討結果報告書の内容に即したものであり、同報告書の基本方向に対する各省庁のそれ以降のフォローアップの状況を踏まえたものとなっている。

申請書の記載事項および添付書類を必要不可欠なものに限定すること等の手続面の簡素化は当然として、ここで注目される点は、同種申請の簡素化という項目で、いわゆる、ワンストップ・サービスの実現の基礎となる以下のような事項が挙げられていることである。

*同一人が行う同種の複数の申請については、一括申請を認める。

*複数の法令に基づく同種の申請・検査結果等の相互作用による一方の申請・検査等の免除によって、申請者、受検者等の負担を軽減する。

 

 

 

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